不登校の原因は母親?そう言われやすい理由と本当の背景

「不登校の原因は母親なのでは…」
そう思いながら、このページを開いた方も多いのではないでしょうか。
子どもが学校に行けなくなると、一番近くにいる母親ほど「私の関わり方が悪かったのかもしれない」と自分を責めてしまいがちです。
でも、不登校は母親一人のせいで起こるものではありません。
いくつもの要因が重なって表れる、子どもからのサインです。
この記事では、なぜ「不登校の原因は母親」と言われやすいのか、そして本当は何が大切なのか、客観的な視点でお伝えします。
なぜ「不登校の原因は母親」と言われやすいのか

不登校になると、なぜか「お母さん、何かありましたか?」
「家庭での関わり方に原因があるのでは?」
そんな言葉が向けられることが少なくありません。
ですがこれは、母親が原因だからではなく、そう“見られやすい社会構造”があることが大きな理由です。
ここでは「誰が悪いか」ではなく、なぜ母親だけが矢面に立ちやすいのかを整理していきます。
学校・周囲・ネットで母親が矢面に立ちやすい理由
まず現実として、学校との連絡窓口になるのは母親であるケースが圧倒的に多いからです。
こうしたやり取りの「表」に立つのが母親になりやすいため、見えている人=責任を問われやすい人になってしまいます。
さらにネットやSNSでは、「母親の育て方」「母子関係」「過干渉」など母親に原因を結びつける言葉が拡散されやすい傾向があります。
これは裏を返せば、父親・学校・社会全体の影響が見えにくくなっているということでもあります。
「一番近くにいる大人」だから責任を感じてしまう構造
子どもが苦しんでいるとき、一番近くにいる大人は多くの場合、母親です。
だからこそ、外から責められる前に、自分で自分を責めてしまう構造が生まれます。

気づけなかった自分が悪い…
もっと違う関わり方があったのでは…
自分のせいで学校に行けなくなったのか?
本来、不登校は複数の要因が重なって起こるものです。
それでも「一番近くにいる」という理由だけで、母親が原因だと見なされ、母親自身も「私のせいだ」と背負い込んでしまう。
これが、「不登校の原因は母親」と言われやすい本当の背景です。
不登校は母親が原因だと思い込むことで起きる悪循環
「やっぱり私のせいなんだ」
そう思い込んだ瞬間から、親子関係は少しずつ苦しくなっていきます。
不登校の問題は、原因探しより“関わり方”が重要なのに、母親が自分を責め始めることで、次のような悪循環が起こりやすくなります。
① 不安と焦りが強くなり、関わりがブレる
「このままで大丈夫なの?」
「早く何とかしなきゃ」
自分を責めている状態では、母親の中に強い不安と焦りが生まれます。
すると、
優しく見守ったかと思えば
急に厳しくなったり
感情的に声を荒げてしまったり
関わり方が安定しなくなることが増えていきます。
子どもはとても敏感なので、この“ブレ”を感じ取り、さらに不安を強めてしまいます。
② 「正しい母親像」に縛られ、子どもの声が聞こえなくなる
「もっと理解ある母親でいなきゃ」
「こんなことでイライラする私はダメだ」
そうやって理想の母親像に自分を当てはめようとすると、目の前の子どもを見る余裕がなくなります。
結果として、下記のようなすれ違いが起きやすくなります。
③ 母親の自己否定が、子どもの自己否定につながる
母親が
「私が悪い」「私の育て方のせい」
と自分を否定していると、その空気は子どもにも伝わります。
すると子どもは、

自分の存在が迷惑なのでは
お母さんを苦しめている自分が悪い
これ以上気持ちを言えない
と、さらに心を閉ざしてしまうことがあります。
母親を責める視点は、親子どちらも苦しめる結果になりやすいのです。
母親ができる「自分を責めない関わり方」
不登校の回復に必要なのは、完璧な母親になることではありません。
まず大切なのは、「私のせいだ」という考えから一度降りることです。
① 原因探しをやめ、「今の状態」を見る
「なぜこうなったのか」よりも、「今、子どもはどんな状態なのか」に目を向けてみてください。
不登校は、原因を特定できたから回復するものではありません。
安心できる関係が整ってから、前に進めるものです。
② 正解を探すより、「気持ちを受け止める」
「こうした方がいいよ」
「将来どうするの?」
その言葉の前に、まずは子どもの気持ちをそのまま受け止めることが大切です。
「そう思うくらい、つらかったんだね」
「行けないほど、しんどかったんだね」
解決しようとしなくて大丈夫です。わかろうとする姿勢が、子どもの安心につながります。
③ 母親自身が“ひとりで抱え込まない”
母親が自分を責めないためには、ひとりで頑張り続けないことがとても重要です。
母親が少し楽になるだけで、子どもへの関わりは驚くほど変わります。
不登校は、「母親が悪いから起きた問題」ではありません。親子の関係を整理し直すチャンスでもあります。
不登校の原因は本当に母親だけなのか?

「母親の関わり方が悪かったのでは…」
不登校になると、そう自分を責めてしまうお母さんはとても多くいます。
しかし結論から言えば、不登校の原因が“母親だけ”というケースはほとんどありません。
不登校は、ひとつの出来事や誰か一人の影響で起きるものではなく、さまざまな要因が重なり合った結果として表れる状態だからです。
文部科学省が示す不登校の主な要因
文部科学省では不登校の定義を下記のように定めています。
文部科学省の調査では、「不登校児童生徒」とは「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しない、あるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除く」と定義しています
文部科学省・不登校の現状に関する認識
文部科学省の調査や見解では、不登校の背景には以下のような要因があるとされています。
① 学校生活に起因・人間関係の問題・36.2%
・友人関係をめぐる問題
・いじめ(表に出ないものも含む)
・先生との関係性のズレ
・クラブ活動・部活動への不適応
・学級の雰囲気が合わない
・授業のスピードや評価方法へのストレス
・入学・転入学・進級時の不適応
② 本人の問題に起因・発達特性・個性・心身の不調35.0%
・感覚過敏や強い不安を感じやすい
・集団生活にエネルギーを使いすぎてしまう
・「頑張りすぎて限界を超えてしまう」タイプの子も多い
・朝起きられない、頭痛・腹痛が続く
・不安感や抑うつ状態
・理由は説明できないけれど「行けない」という感覚
③ 家庭生活に起因19.1%
・家庭内の変化(引っ越し、親の仕事の変化など)
・親子関係をめぐる家庭内の不和
これらはどれも、親の育て方だけで決まるものではありません。
不登校は複数の要因が重なって起きるケースがほとんど
実際には、
といったように、いくつもの要因が重なった結果として不登校が表面化するケースがほとんどです。
そして多くの場合、子ども自身も「なぜ行けないのか」をうまく言葉にできません。
それなのに、

母親が甘やかしたから
母親が厳しすぎたから
と、単純な原因に押し込めてしまうのは、とても危険な見方です。
原因を「母親」に限定してしまうことで、本当に必要な支援や環境調整、子どもの理解が後回しになってしまうこともあります。
不登校は、「誰かのせい」ではなく、「今の環境や関わり方を見直すサイン」
まずはその視点を持つことが、回復への大切な第一歩になります。
母親の関わりが「影響すること」と「原因ではないこと」
「母親の関わりは関係ありますか?」
この質問に対して、「関係ない」と言い切るのも、「母親が原因」と決めつけるのも、どちらも正確ではありません。
大切なのは、“影響する部分”と“原因ではない部分”を切り分けて考えることです。
影響することはある(安心感・関係性)
まず事実として、母親の関わりが子どもに影響を与えることはあります。
たとえば、
こうした「土台の安心感」は、不登校の回復過程においてとても重要です。
ただし、ここで大事なのは、
「影響する=原因」ではないという点です。
安心感が十分でも不登校になる子はいますし、逆に、親が悩みながら関わっていても回復していく子もいます。
「原因=母親」ではない理由
不登校が起きたとき、原因をひとつに特定したくなる気持ちは自然です。
ですが現実には、
こうした複数の要因が重なった結果として表れる状態が不登校です。
母親の関わりは、その「環境の一部」ではあっても、単独で不登校を引き起こす原因ではありません。
「母親が原因」としてしまうと、問題が単純化され、本来必要な視点(学校調整・専門支援・子どもの特性理解)が見えなくなってしまいます。
現場で多く見られるのが、母親が自分を責め続けてしまうことで起きる悪循環です。
母親を責めることで回復が遅れるケース

「私の育て方が悪かった」
「もっとちゃんとしなきゃ」
「私が変わらなきゃ治らない」
そう思えば思うほど、母親は緊張し、余裕を失い、結果的に子どもも安心しにくくなります。
不登校の回復に必要なのは、完璧な母親ではなく、「今の状態を一緒に受け止めてくれる大人の存在」です。
白か黒か、
正しいか間違いか、
原因か無関係か——
そうした二択ではなく、グラデーションで捉えることが、回復を早めます。
母親の関わりは、「原因」ではなく、これから「力に変えていける要素」
そう考えられたとき、親子の関係も、不登校への向き合い方も、少しずつ変わり始めます。
自分を責めてしまう母親へ伝えたいこと

不登校のわが子を前にして、
「私の関わり方が悪かったのかもしれない」
「もっと違う母親だったら…」
そんな思いが、何度も頭をよぎっていませんか。
ここまで読んでくださったあなたに、どうしても伝えたいことがあります。
「気づけた」時点ですでに十分頑張っている
もしあなたが今、
「このままじゃいけない気がする」
「子どもとの関わり方を見直したい」
そう感じているなら――
それは、もう立派な“一歩”を踏み出している証拠です。
多くの人は、苦しさの中にいると「忙しさ」「正しさ」「世間の声」に押されて、立ち止まって考えることすらできません。
それでもあなたは、
・情報を探し
・自分を振り返り
・子どもの状態を理解しようとしている
この「気づけた」という事実そのものが、あなたがずっと子どもを大切に思ってきた証です。
不登校は、「ダメな親だったから起きた結果」ではありません。
気づけなかった過去があったとしても、今、向き合おうとしているあなたの姿勢こそが大切なのです。
子どもが求めているのは“完璧な母親”ではない

子どもが本当に求めているのは、いつも正解を言う母親でも、感情を一切揺らさない強い母親でもありません。
求めているのは――
「自分の気持ちを否定せずに、そばにいてくれる存在」です。
ときには迷ってもいい。
不安になっても、涙が出てもいい。
完璧じゃなくても、うまく関われない日があってもいい。

「どうしたらいいかわからないけど、
あなたの味方だよ」
そのメッセージが、言葉や態度から少しずつ伝わっていくことが、子どもにとって何よりの安心になります。
母親が自分を責め続けていると、子どもは無意識に「自分のせいでお母さんを苦しめている」と感じてしまうことがあります。
だからこそ、あなたが自分を許すことは、子どもを守ることでもあるのです。
母親が今日からできる“自分を責めない関わり方”

「自分を責めないことが大切なのは分かった。
でも、現実にはつい責めてしまう…」
そう感じるのは、とても自然なことです。
ここでは、考え方を無理に変えようとしない関わり方をお伝えします。
まずは「正しい関わり」を探すのをやめてみる
不登校の子どもを前にすると、母親はどうしても「何が正解なのか」「どう接するのが正しいのか」を探してしまいます。
でも実は、正解探しが続くほど、母親は自分を責めやすくなります。
こうした思考が積み重なると、関わりそのものが“怖いもの”になってしまいます。
大切なのは、
👉 「正しいかどうか」より「今できるかどうか」
今日できたことが一つでもあれば、それで十分です。
子どもを変えようとする前に「自分の緊張」を緩める
子どもが学校に行けない状態が続くと、母親の心と体は常に緊張しています。
この緊張は、言葉にしなくても子どもには伝わってしまいます。
だからこそ大切なのは、子どもを動かそうとする前に、母親自身の緊張を少し下げること。
たとえば
それだけで、親子の空気は少し変わります。
「できなかった日」を責めないための視点
関わり方を意識しても、うまくいかない日は必ずあります。
でも、ここで
「またダメだった」
「やっぱり私は向いていない」
と考えてしまうと、元に戻ってしまいます。
視点を、こう変えてみてください。
❌「できなかった」
⬇
⭕「今日はエネルギーが足りない日だった」
不登校の回復は、一直線ではありません。良い日と悪い日を行き来しながら、少しずつ安心が積み重なっていくものです。
母親も同じでいいのです。
一人で抱えなくていい。関わり方は「練習できる」
ここまで読んで、
「頭では分かるけど、実際は難しい」
そう感じた方も多いと思います。
それは、あなたの意志が弱いからではありません。
親子のコミュニケーションは、感覚ではなく“スキル”だからです。
・どんな言葉が安心につながるのか
・沈黙のとき、どう関わればいいのか
・不安や焦りが出たとき、どう整えるのか
これらは、
経験や根性で身につけるものではなく、学び、練習することで身についていくものです。
もしあなたが今、
「一人で考えるのがつらい」
「誰かと一緒に整理したい」
そう感じているなら――
それは、頼るタイミングが来ているサインかもしれません。
【まとめ】不登校は、母親を責めるための出来事ではない
不登校は、母親の失敗を証明するものではありません。
そして、あなたがここまで悩んできたこと自体が、子どもを大切に思ってきた証です。
「もっと頑張らなきゃ」ではなく
「もう十分頑張ってきた」
という視点も、心の片隅に置いてください。
あなたが少し楽になることは、必ず子どもの安心につながります。
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